子育てひろば
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連載第1回

札幌市厚別区大谷地にある大谷地会館。毎週金曜日の午前10時を過ぎると、
お子さんを連れたお母さん達が、ひとり、またひとりと集まってきます。
ここは、子育て中の親と親、子どもと子ども、そしておとなと子どもが出会い、
一緒に「ほっ」とする時間を過ごす空間です。

親子ひろば「ほっとたいむ」は、少子化や核家族化が進む現代社会において、
子育て中の親が抱える不安や閉塞感を解消するための環境作りが必要と考え
た生活クラブ生活協同組合が、2005年7月から行っている子育て支援事業。
「初めての子育てで戸惑っている」「子どもにどう関わったらよいかわからない」
「いろいろな人と出会いたい」という親達の声に応えています。
赤ちゃんも向かい合って「こんにちは」
お母さんも膝上の男の子も一緒に楽しそう
「ほっとたいむ」に参加して4年目というAさんは、2児の母親。
雑誌でひろばが紹介された記事を読んだことをきっかけに、友達を誘って
やってきました。ひろばへ来ることをお子さんも毎週楽しみにしているようで、
「『今日は"とんとんひろば" ("ほっとたいむ"は、以前、"とんとんひろば" と呼ばれていました)だよ!』と言うと喜びます。私自身の楽しみは、
やはり母親同士の情報交換。基本的には未就園児が対象のようですが、
現在幼稚幼稚園に通っている上の子を連れてきても良いところが嬉しい。
生後間もない赤ちゃんも参加できるようにお昼寝スペースもありますし、
妊娠中のお母さんが横になって休んでも構わないのがいいですね」
と話すように、親にも子どもにもさまざまな配慮がなされているところが、
大きな魅力のようです。
ひろばには、木のおもちゃや絵本がたくさん用意され、お弁当も食べられるほか、
授乳ももちろん大丈夫。みなさん、気構えることなく、10時から14時とい4
時間の開放時間を、家にいる時の延長としてリラックスして過ごすことができる
ようです。

続いて、9ヶ月児の母親であり、ひろばのボランティアスタッフでもある女性に
うかがってみたところ、「さまざまな年齢層の子どもがいるので、兄弟や姉妹の
ような感覚で遊べるところが良い」とのお話。
「家にこもっていると、自分の子育ての仕方や、子どもの発達がこれでよいのか
と不安なことが多かったんですが、ひろばでほかのお母さん達と情報交換をする
ことで、安心感を得ることができました」とも語ります。
このあたりは、みなさん意見が一致するところ。現代の母親達の多くが孤独なな
かで子育てをしているという現状、それを解決する必要性が、浮かび上がってき
ます。
笑顔あふれる”ひろば”
小沢順子さん
「最近は地域に子どもが少ない。昔は家の前が"ひろば"だったんですけれど」
と話すのは、生活クラブ福理事長・福祉担当の小沢順子さん。
その言葉通り、現代では、自分達の手でこのような"ひろば"を作る必要がある
のかもしれません。ここに通う親子はそれぞれが単独の存在ではなく、とくに母
親達は時間が経つにつれて"みんながみんなのお母さん"という視点を持つよう
になっていく、と言います。「よその子どもを見守る姿勢が芽生えることで、親
も成長し、親が子どもとどう遊ぶのか、あやし方なども勉強するわけです。
一人で子育てをしていると、特に真面目な性格な方は、煮詰まってしまうことが
あるんですね」と小沢さん。
お母さん達も「ほっ」 主催者側として、1回ごと、月ごとの反省を行い、参加者の中で気になる子ども
や親がいれば、支援を行ったり、サポーターが母親の悩み相談にのったりするな
ど、熱心な活動を続けています。子育てに関する親からの質問も、回答を2〜3
パターン用意し、適切なものかどうか検討するそうです。「押し付けのアドバイ
スではなく、親の心に寄り添う支援ができるようにつとめています。育児をしよ
う、育児をしようと思わないで、子どもを見守る、という気持ちも大切です」と
小沢さん。
夏季は1回の開放に16〜20組程度の親子が、冬季になると40組近くの親子が
毎回参加。2005年の年間参加者数は、延べ1000人。居住地の限定は特にない
ので、江別から訪れる親子もいるそうです。
たくさんの親子が通う理由には、クラブ会員から募ったサポーター(ボランティ
アスタッフ)の存在もあります(有資格者に限ってはいません)。サポーターは、
子どもが遊んでいる雰囲気やタイミングを見ながら、興味を引くおもちゃを提供
したり、わらべ歌を教えたり、子どもが常に楽しめるような様々な手助けをしま
す。「サポーターのみなさんがとても親しみやすい。知らなかったわらべ歌や、
いろんな遊びを教えてもらえるので、家でも子どもとその遊びをすることが多い
です」と参加者のひとり。

 また、入ったばかりの親子が、ほかの親子と交流する「橋渡し」役をつとめてく
れるのも、サポーターです。
8カ月のお子さんを持つ母親は、この「橋渡し」にとても助けられたと話します。
「我が家の近所には、他のお子さんと接する場所が少ないんです。公園に行って
もあまり見かけなくて、近所に住む子どもの数自体が少ないとも聞きました。
でも、スーパーなどに出かけると、子ども連れの家族をたくさん見かける。
話しかけたり、仲良くなるきっかけがあればいいのに…といつも思っていたん
です」
 ほっとたいむに通い始めて、幅広い年齢層の子どもと出会えてよかった、とも
話します。「ご近所同士のおつきあいでも、子どもの年齢層って幅広いはずです
よね。だから、こんなふうにいろんな子と知り合って、時々はケンカがあった
りとか、小さなケガをしたとしても、それは当然起きることだと考えているし、
気になりません」。むしろ、本来地域社会で起こるべきことが、この"ひろば"
で体験でき、子どもの成長につながる、と考えているようです。「4時間の開放
時間の中で、自分の都合の良い時間に参加できることも、ありがたいですね」。
元気いっぱい遊ぶ男の子たち
 参加者がいちように語っていたのは、「子どもはもちろん、自分自身の出会い
の場になる」という言葉。「ストレス解消になる」「ここで出会って仲良くなった
母親同士で、お茶を飲みに行ったりすることもある」「『 "ほっとたいむ"に行く
よ』というと子どもが喜んで早く行きたがる」・・・等など、みなさん笑顔で話しま
す。なにより、子どもが生き生きと動く様子を見ることが、親にとっても活力に
なり、癒しになるのではないでしょうか。
 夏季はひと家族200円、冬季はひと家族300円の参加料がかかります。
この金額でまかなえるのは現在、会場費程度とのこと。
生活クラブの組合員から月70円の賛助金を得て運営しているそうです。
同クラブでは、将来的にもう一箇所増やしたいと考えています。
ほっとたいむは10時から14時です
 ●名称:ほっとたいむ
 ●運営者:生活クラブ生活協同組合
 ●場所:大谷地会館2階
 ●札幌市厚別区大谷地西2丁目2−2(大谷地神社隣、駐車場有)
 ●開催日:毎週金曜日
 ●時間:10時〜14時
 ●参加料:5月〜10月 一家族200円、11月〜4月 一家族300円
 http://www.city.sapporo.jp/atsubetsu/machi/machi_net/list11.html
  • 開放は毎週金曜10:00〜14:00。都合の良い時間に通えます
  • 靴下は滑るので、できるだけ裸足で遊ぶようにしています
  • おとなも子どもも気持ちよく過ごせるようにみんなで気配りをしています
  • 親同士、子ども同士、親と子が出会う場所。
    ゴミや紙おむつは各自持ち帰るのがルールだそうです